知っておきたい!サンタクロースの豆知識

世界中で一番有名なおじいさん、サンタクロース

クリスマスイブの夜、子供たちにプレゼントを届けにやってくる、まさにヒーロー的存在のサンタクロース。
世界中で一番有名なおじいさんですが、意外とこの人のことを詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。

サンタクロースって本当にいるの?というのは、私たちが一度は子供時代に持つ疑問です。まさか、と思いますが、実は実在の人物なのです。

といっても一晩のうちに世界中の空を飛び回ることはできませんが、モデルになった人物がいます。
3~4世紀頃のキリスト教の司祭「セント・ニコラウス」という人です。

彼は子供に幸せをもたらす聖人と言われています。
その由来となった逸話は幾つかありますが、その中でも有名なものが、子供たちが売りに出されてしまうほどの貧しい家があることを知ったセント・ニコラウスは、煙突から金貨を投げ入れます。

その金貨は暖炉に干されていた靴下の中に飛び込んでいきました。
この金貨のおかげで子供たちは売られずに済んだという話が、クリスマス・イブのプレゼントの由来とされているのです。

サンタクロースは世界中に共通した名前ではない

セント・ニコラウスをたたえたお祭りであるニコラウス祭は、オランダで盛んでした。
サンタクロースをオランダ読みすると「シンタクラース」となり、そこから現在の呼び名になっていったようです。

ですから、歴史的にオランダに関わった国にこの呼び名は使われていることが多く、サンタクロースは世界中に共通した名前ではありません。
宗教的な理由もありますが、「ファザークリスマス」「クリストキント」「ヨールプッキ」など、国ごとにまったく違う名前で呼ばれているのです。

サンタクロースには定番の要素が多くありますが、中でも絶対的なイメージがあの服装です。
赤と白の独特なものですが、あの赤い色は司教の司祭服の色だと言われています。

しかしそれが定着したのは比較的近年のことで、以前は様々な色の服を着ていて、特に決まったものはなかったのです。
決定づけたのが、意外にもアメリカの「コカ・コーラ」の広告でした。

コカ・コーラがサンタクロースを起用したのが始まり

危ない飲み物というイメージを持たれていたコカ・コーラが、女性や子供たちに訴えかけるために、サンタクロースを起用したのが始まりになります。
親しみやすく暖かい大きな体の白髭のおじいさんが、真っ赤な上着と赤いズボンで、満面の笑みを投げかけているコカ・コーラのイラストは人気を博し、瞬く間にその姿を世界中に広め定着させたのです。

それ以外の定番として、良き仲間であるトナカイの存在がありますが、これは絵本が始まりとされています。
そこからトナカイの生息地や寒い国の人であるというイメージが作られました。

また、北欧にはトナカイと暮らす遊牧民がおり、彼らには魔法を使うという神秘的なイメージがつけられていたために、出身地がフィンランドということになったようです。

トナカイの頭数も特に始めは決まっていなかったということですが、だんだんと増えていき、現在の8頭になり、名前まで付けられていきました。
有名な赤鼻の「ルドルフ」も後から作られた逸話ということになります。

メディアによってどんどんイメージが付け加えられた

最初のモデルであったセント・ニコラウスはトルコ人であったということですから、欧米人の太ったフィンランド出身のおじいさんとはずいぶんかけ離れた感じになっています。

こんな風に歳月をかけ、絵本や広告、メディアによってどんどんイメージが付け加えられ、それが定着していってできあがったという要素が強い人物です。
宗教色の強い一部の地域の存在であったはずの人物が世界的な子供たちのヒーローになっていった理由は、ある意味世界が広がっていったということにもつながっているようです。

これからも新しい要素が加わっていく可能性はじゅうぶんにあるかもしれません。